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2011年7月16日 (土)

東北地方太平洋沖地震の考察


大津波が掘り起こしたもの


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東北地方太平洋沖地震の考察(17)




65 12歳政治の3例目

原発2号機が破損した当日の3月15日時点で、放射能汚染が原発から北西方向を中心に広がることを、政府は知っていた。これがすべての出発点である。マスメディアは、菅政府がその情報を国民に隠蔽し、情報公開したのは4月11日で、約1か月後であったといっている。しかしこれは政府のみならずマスメディアが責任から逃げるための嘘である。

3月15日午前6時すぎに原発2号機の圧力抑制室が破損した。約3時間後に正門付近で、放射線量が1時間あたり10ミリシーベルト超まで急上昇した。 保安院は破損の影響を調べるため、同日午前7時前に試算した。 それによると、同日午前9時から24時間後までの間に、「放射性チリ」は、原発を中心にした単純な同心円状ではなく、とくに北西方向(宮城県方向)に汚染が流れていくことが予測された。

ところが、菅内閣は、放射能汚染が原発から北西方向に「放射性チリ」が広がることを知っていたのに、福島県民に対して、同心円状にどの方向でもいいから、とにかく原発から遠ざかれば安全だと嘘の情報を流した。テレビや新聞で東大や東工大の教授たちがしきりに次のように喋ったのを覚えている読者もまだいるだろう。

「放射線の強さは距離の二乗に比例するので、遠くに逃げれば安全です」

「つまり10キロ地点から20キロ地点に逃げると、被曝量は4分の1に減り、レントゲン撮影に日々関わっている医者よりも安全になります」

この嘘の情報の結果、北西方向(宮城県方向)に逃げ、放射能汚染の只中に居続け、内部被ばくした住民が出ることになったのである。

つまり、政府は、何の対応もとらなかったのではない。嘘の情報を流すことで、北西方向にある福島県飯舘村など5市町村の住民を内部被ばくにさらしたのである。

菅内閣がほんとうに隠しているのは、嘘の情報を流し、住民を内部被ばくにさらしたという失政である。この失政を、スピーディによる予測情報公開の遅れにすり替えている。細野豪志首相補佐官(当時)は、記者会見で「国民がパニックになることを懸念した」ため情報公開を遅らせたのだと説明したのがそれである。

細野のような路上キス男が出てきて、過去のスキャンダルはすっかり忘れて「民は知らしむべからず、由らしむべし」といった、孔子の誤読(孔子の語った本来の意味は、「人々を頼らせることは容易だろう。しかし、理解してもらうのはむずかしい」という意味である)に基づく三流の政治的段平を振り回すのを見ると、この国はもうだめだという思いを強くする。細野少年がいっていることは、パニックになるから、むしろ内部被ばくさせた、というのと同じなのだが、真実は、嘘の情報を流して国民を内部被ばくにさらし続けた、ということである。

菅内閣は、理念としては情報開示を掲げてきた。しかし、いざ現実に遭遇すると、自分の無能を隠すために情報を隠すのみか、嘘の情報を流し、ほとぼりが冷めた頃になって、あなたたちがパニックにならないためにいわなかったのだ、と自己正当化を謀った。卑劣にも、冷酷を思いやりに、失点を得点に変えたのである。これが、いうこととやることがまるで違う、未熟で冷酷な民主党の政治である。成熟の欠片もない、マッカーサーのいう、12歳の政治なのだ。

現在、公表されたスピーディ予測図は福島県だけである。他府県はどのようになっているのか。民主党政権は、今はいったいどんな情報を隠蔽し、嘘を吐き続けているのか。たっぷり国民に放射能を被ばくさせたのちに、何か月も何年もたってから、あなたちがパニックにならないために公開しなかった、わたしたちだけ利用させてもらいました、といわれたのではたまったものではない。スピーディには税金が投入されている。そして細野たちは国民に奉仕すべき公僕である。菅、細野、経産大臣の海江田、高木義明文部科学大臣たちには徹底的に情報を開示すべき義務があって、隠蔽する権利や、まして嘘を吐いて国民を内部被ばくにさらし続ける権利などはないのである。

嘘の情報を流して県民を内部被ばくさせたことと、何も対策をとらずに放置したこととは違っている。この未熟な12歳の少年政治が生んだ冷酷は、けっして許されるものではない。12歳の政治は、パニックになるからと、嘘の情報を流したのみならず、何も対策をとらずに住民を被曝するままに放置したのであった。

ここで武田邦彦の意見を聞いてみよう。
武田は「原発事故中間まとめ(4) 「悪意」か? 私たちの政府」のなかで次のように書いている。

「3月11日、福島原発が時々刻々、破壊に向かっているとき、発電所と政府は共に国民に事実を知らせなかった。
1)発電所長は消防に通報しなかった。
2)政府は国民に危険を知らせなかった。
しかし、この二つならまだ「準備不足」とか、「普通に見られる隠蔽体質」とも言えるが、逃げる方向について政府が発表したとき、私は「まさか!」と耳を失った。
原子力の専門家ならすべての人が知っていることなので、「悪意」としか考えられないが、本当だろうか?
・・・・・・
「放射線」というのは「光」だから、自分の目で福島原発が見えなくなったら、「福島原発から直接来る放射線は来ない」。
だから「被曝する」のは「放射性チリ」からだ。
原発が爆発するとき、原発の建物は「天井方向に抜ける」ように設計されている。
これは爆発の可能性のある建物を設計するときの常道で、「爆発のエネルギーが原子炉や人のいる下の方に行かないように」という配慮である。
福島原発の水素爆発でも、屋根が抜けてまっすぐ上に100メートルほど煙(放射性チリ)が舞い上がった。
もし、そのまま無風の「状態」が続けば、吹き上がった放射性チリの「粒」はそよそよとそのまま原子炉建屋の中に帰って行っただろう。
でも、現実には無風の状態がそれほど長く続くわけではない。上空にまっすぐ上がった放射性チリは、風に流されて徐々に西北(一部は南)に向かった。
その時、政府は驚くべき発表をしたのである。それは、
「放射線の強さは距離の二乗に比例するので、遠くに逃げれば良い」
ということであり、それを受けてNHKのテレビでは東大教授が、
「10キロ地点から20キロ地点に逃げると、被曝量は4分の1になります」
と解説をしていた。「かけ算」をせずに1時間1ミリシーベルトを「レントゲンの600分の1」などと言っていた時代だ。
それを真に受けた多くの人たちは、
「原発から遠くに逃げろ」
と思ったのは当然である。
これほど簡単なことを間違えるはずはないから、どうも「悪意の政府」、「鬼の東大教授」のように見える。
なぜなら、「正しいことが判っていて、わざと国民がより多く被曝するように指導した」からだ。
原発の事故では「原発を背にして、遠くに逃げる」のはダメである。
(中略)
つまり、
1)風下に当たっている人は、原発から遠ざかれば遠ざかるほど、長時間被曝する。
2)「横に」10キロも逃げれば、被曝しない.つまり「原発から遠ざかる」のではなく、直角に逃げろということだ。
3)風下の当たっていない人は遠ざかっても関係がない、
ということが判る。
私が最初のころ、火山の噴煙の動きを貼りつけて「風下はダメだ」と言い、気象庁に「風の向きを予報してくれ!」と叫んだのはこのことだ。
気象庁は知らない顔をしていた。彼らも放射性チリの流れを知っていて、言わなかったのかも知れない.
・・・・・・・・・
もちろん、原子力安全委員会、原子力保安院は知っていた。専門家集団であり、普段から原発のシビアーアクシデント(大事故)を考えに考えているのだ。
こんなことを知らなければ職務が遂行できない。私は彼らが知っていたことを知っている。
ということは、国民がより多く被曝するように「放射線は半径の二乗で…」と言い、「遠ざかれ」と言ったと思わざるを得ない。
事実、それを信じた首長さんは住民を連れて原発から遠ざかろうとして、さらに被曝した。
何ということだろう!
万が一、今回の事故で病気の人がでたら、政府と安全委員会は「傷害罪」ではないか? あちらに逃げれば火傷をすると知っていて、その方向に逃げるように指示する人などいるだろうか?
何でこんなに大きな間違いをして、平気なのだろうか? 今からでも修正しておけば、今後も役立つのに、なぜ謝罪しないのだろうか? 
・・・・・・
今回の事件は、多くの面で、「一体、政府とは何か?」、「知識とはなにか?」を訴えているように思える.
(平成23年6月9日 午前8時 執筆)」

何年か後に内部被ばくした住民によって、裁判が起こされるにちがいない。菅、細野、経産大臣の海江田、高木義明文部科学大臣、枝野官房長官たち、それに気象庁のトップは、責任を問われることになる。同時に原子力安全保安院、原子力安全委員会とともに、マスメディアで嘘の情報を発信し続けた東大を中心とする学者たち、マスメディアの責任も問われることになる。

ところで、政府が未熟で情報を隠蔽する国では、けっして子供の尿検査も公的機関に任せるわけにはゆかない。「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」のメーリングリストで応募した、福島在住の6歳~16歳、男子6名、女子4名の合計10名の尿検査は、フランスの放射線監視団体ACROに送った行われた。その結果、子供たちから、セシウム134、137が検出された。日本政府の非人間的な冷酷は、世界の知るところとなった。

現在、菅直人を辞任させるために、かれが辞任の条件として挙げた、2次補正と特例公債法案、再生可能エネルギー特別措置法案の早期成立を促す声がある。しかし3法を通せば、菅直人は喜んで次の課題を口にするだけである。これまで菅直人の詐欺的手法は、いかに人格の崩壊した卑劣な人物であるかを物語っている。わたしたちも、いい加減に何度も騙される12歳の政治をやめなければならない。

菅直人はけっして辞任はしない。一事不再議に法的拘束力はない。もう一度不信任案を上程し、可決させることである。解散になれば、わたしたちは反増税、脱原発をかけて戦う政党を支持せねばならない。

小沢一郎よ、新党を作るというのが最後のキモである。いまさら泥舟の船長になったところで、所詮、沈む船である。かつて亀井静香が「自民党がやったことと反対のことをやれば成功する」と語ったことがある。今の民主党はその自民党政治そのままであり、部分的には昔の自民党よりも悪くなっている。ボートがあるうちに仲間と脱出すべきである。そして次の選挙は、増税反対、原発反対を明確に唱えて戦うべきである。震災復興のために、岩手、宮城、福島と、被災者に学びながら国会を開くのも、夫子なら出来るだろう。民主党オーナー筋(鳩山)に気をつかっていると、小さくまとまって一蓮托生になる。
(続く)




今日も最後まで読んでくれてありがとうございます。

 年々にわが悲しみは深くして
   いよよ華やぐいのちなりけり
           岡本かの子

また、面白い文章を書きますね。
みんな、あしたこそ、幸せになあれ!

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